ここでは、GTDの1つ目のステップである「把握する」フェーズに特化して掘り下げた解説を行なっていきたいと思います。
「把握する」とは?
把握するステップで重要なのは、その物事の大小・仕事かプライベートか・緊急性があるかないかといった事にこだわらず、あなたがやるべきだと思っていることを文字通り全て集める事です。
なぜなら、その物事がどんなに小さいことでも、どんなにくだらない事だったとしても、頭の中で「しないといけないことがある」と思ったら、それは「気になること」としてずっと頭の中に残るからです。そしてそれは、あなたの頭の中のノイズになり、集中力や生産性を奪っていきます。
こういった「気になること」を気にしない状況にするためには、それらを全て書き出すなりして頭の中から出してしまうことが重要です。
GTDでは、頭の中を吐き出す先となる受け皿のことを「インボックス」と呼びます。一般的にこのインボックスは、ノートであるとか、ToDoアプリなどになるケースが多いです。
インボックスに書き出した内容は、別途時間を確保して1つ1つの内容を吟味してそれぞれに対して適切な処置を行なって行く必要があります。(この処置が、GTD2つ目のステップ「見極める」になる)
インボックスとは具体的にどんなものか?
GTDにおいて、この「インボックス」というのは非常に重要な役割を果たしています。なぜならまずは全てをこのインボックスに吐き出し、その後GTDの方法論にならってタスク管理を行って行くためです。
要は、インボックスはGTDという方法論を使う上でのスタート地点になるわけです。では、インボックスとは具体的にどんなものなのか?ここからは、それをご紹介していこうと思います。
書類受け
別に書類受けでなくても、適当な大きさの箱でもなんでもオッケーです。要は、一時的に書類や名刺やメモや郵送物など、後で処理するものを保管しておけるものであれば良いです。こういったものを家のいろんなところに散らばらせるのではなく、一箇所に集約させるというのが大事です。
手帳やノート、メモ帳
アナログな道具が合うという人にとっては、こうしたアイテムはかなり頻繁に使う事になると思います。ちなみに僕は常に数枚のメモを持ち歩き、手書きで何かアイデアを残したいときに使っています。書いたメモは、上記で紹介した書類受けに放り込んでいます。
メールソフト
仕事でもプライベートでも、メールで相手から何かを頼まれたりしてタスクが発生するということはよくあると思います。そういったメールに関しては、メールソフトなどで「インボックス」というフォルダを作り一旦そこに放り込んでおく事で、メールソフトにもインボックスとしての役割を持たせることができます。
デジタルデバイス
スマホやタブレット、パソコンでのメモ帳や音声の録音機能を使う事でも、自分のやるべきことを書き出して記録しておくことができます。また、今は優れたタスク管理アプリが色々とリリースされているので、これを活用してGTDを行うのが最もオススメです。
GTDの方法論をベースにして作られたアプリもあり、そういったものを使えば非常に効率的にタスク管理を行って行くことができます。
「把握する」フェーズのコツ
GTDの「把握する」においてインボックスはとても重要ですが、いくつかのコツをおさえておかないとインボックスを用意してもうまくGTDが機能しないというパターンに陥ってしまいます。
そこで、ここからはインボックスを効果的に活用して「把握する」フェーズを適切に実行する3つのコツについてご紹介していきます。
全ての「気になること」を収集する
「把握する」フェーズで重要なのは、冒頭でも書いたようにその物事の大小・仕事かプライベートか・緊急性があるかないかといった事にこだわらず、あなたがやるべきだと思っていることを文字通り全て集める事です。
中途半端に書き出し、頭の中にまだ何かが残っていると、GTDのテクニックを使ったとしても「そういえばアレをやらなきゃいけないんだった」とか「いや、あっちの方が先にやった方がいいのでは?」というように頭に残ってしまっていることが気になってGTDが正常に機能しなくなってしまいます。
なので、「把握する」フェーズでは頭が空っぽになるまで自分の頭の中身を書き出すことが大事ですし、新規にやるべきことやアイデアが浮かんだ場合に備えてスマホなりメモ帳なりを常備しておくことがおすすめです。何かあってもいつでもそれを書き残しておけるという状態を作っておくことは、GTD運用においてとても効果があります。
インボックスの数は必要最小限にする
インボックスの数は、必要最低限の数にしておくことが大切です。なぜならインボックスの数が多いと、それだけで管理が大変になるし、管理が大変になるほどGTDを行うのも大変になり、継続することが難しくなっていくためです。
僕も以前これでミスをしたことがあります。「書類用ケース」「郵送物用ケース」「メモ用ケース」みたいな感じで書類ケースだけでも何種類も用意してしまっていたのです。これは完全に失敗だったので、今は1つだけの書類受けを使用しています。
デジタルの場合は、複数のメールアドレスを使っている場合は1つのメールソフトに統合するなど、チェックしなければいけないアプリやソフトを最小限にする工夫が必要になってきます。
インボックスは油断しているとついつい増えてしまいがちなものですが、最小限でキープするようにするのが、「把握する」フェーズを、ひいてはGTD全体をうまく運用するためのカギになってきます。
インボックスを定期的に空にする
インボックスには非常に多くの情報が集まってきます。やらなければいけない事・アイデア・書類・郵送物・メール、などなど…。自分に関係のあるあらゆる情報が集約されるのがインボックスです。
これは、放っておくとあっという間に膨大な量のものになり、扱いきれないほどの量になっていきます。なので、インボックスは定期的に処理をして、空の状態にする必要があります。
「空にする」というのは、インボックスにある事柄1つ1つに対してとるべき行動を明確にするという事です。(そしてこれが、GTD2つ目と3つ目ののステップである「見極める」「整理する」にあたります)
「把握する」フェーズは下準備。だからこそ…
以上が、GTDの「把握する」フェーズを実行する上でのノウハウになります。このフェーズはGTDを効果的に行っていく上での重要な下準備になってきます。
ここをいい加減にやってしまうと、以降のステップが正常に機能しなくなっていってしまうので、丁寧に行っていくようにしましょう。
初めてGTDに取り組む人は、「把握する」フェーズだけに何時間も、場合によっては何日もかかってしまうかもしれませんが、一度GTDのシステムが回り始めれば2回目以降の「把握する」フェーズはそこまでの時間はかからないので安心してください。
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