時間管理で絶対に外せないものの1つに「パーキンソンの法則」というものがあります。”パーキンソンの法則”とは、「仕事の量は、完成のために与えられた時間限界にまで膨らむ」という法則です。
典型なところでいうとついつい後回しにしてしまう夏休みの宿題。あれがパーキンソンの法則です。8月31日よりずっとずっと早く済ませてしまってもいいのに、なぜか8月31日にギリギリで宿題が終了する。そんな人はかなり多いですよね。
時間泥棒「パーキンソンの法則」をやっつける方法
パーキンソンの法則というのは時間管理をする上で非常に厄介な存在です。なので、こいつをやっつけるためには、この法則を逆手にとって利用してやるのが効果的です。そうすれば、厄介だったこの法則は、あなたの時間の使い方を生まれ変わらせてくれる救世主に変身します。
そのためにはどうすればいいのかというと、具体的には、タスクを細かく分けてそれぞれに締め切りを設定するようにします。
例えば1日の中でやるべきタスクA・B・Cがあるとしたら、それぞれに対して時間の締め切りを作ります。タスクAは13:00-13:30、タスクBは14:45-15:00という風に1つ1つに対して締め切りを設定していきます。
そこまで厳密にいきなり出来ないという場合は、タスクAは30分、というように所要時間だけ設定しておくのもアリです。どちらの場合も、決めた時間が来たら一旦切り上げる事が大切です。
その枠の中でタスクが完了したらそれでOKですし、もし終わらなかった場合は「このタスクの残作業は明日の13:00-13:30」というようにあらためて予定を組むようにしましょう。いわゆるリスケ(リ・スケジューリング)というやつですね。
初めてやる場合は少し面倒だなと思うかもしれませんが、何十年もいろんなビジネスの現場で実際に使われ続けている手法です。つまりそれだけ高い効果があるという事ですので、時間をより有意義に効果的に使いたいという人はぜひ取り組んで見てください。
パーキンソンの法則を上手に利用する時のコツ
パーキンソンの法則をやっつけるためには、タスク1つ1つに対して締め切りを作ろうという話をしましたが、この締め切りを作るときにちょっとしたコツがあります。
それは、締め切りを設定する際は、「ちょっとタイトかな?」と思うくらいの時間に設定する。というものです。なぜかと言うと、締め切りを設定すると個人差はあれど「その締め切りを守ろう」と言う意識が自動的に働きます。
そのため、多少時間的に厳しかったとしてもそれに間に合うように優先的にやるべきことを取捨選択できるようになります。
仕事とかで締め切りギリギリを経験したことのある人は共感できると思うのですが、そう言う時って何を優先的に片付けるべきか、どんな順序でやるのが最も速いか、今やらなくても影響のないものはどれか、と言ったことの判断が普段と比べて劇的に速くなったりしますよね。
自分でタイトな締め切りを設定することは、その効果を故意に促すと言う狙いがあります。
タイトにする事によるデメリットは無い!
「でもタイトに設定しすぎて出来なかったら困るし…。」と思う人もいるかもしれませんが、そんな心配は不要です。
もし出来なかったとしても残った分のタスクを再スケジューリングすればいいだけなので、短く設定することに特にデメリットはありません。
むしろ、設定した締め切りギリギリまで長引いてしまうというパーキンソンの法則のことを考えると、むしろ余裕のあるスケジューリングの方がデメリットが大きいんです。
ただ、自分以外の人が強く関係してくるタスクに関しては、実質問題として迷惑をかけてしまう可能性があるので、相手との約束に関しては少し時間の余裕を持たせた方がいいかもしれませんね。
その上で、自分の中ではタイトにスケジューリングをしてタスクをこなせば、相手からは「締め切りより早く仕上げて来た」と思ってもらえるので一石二鳥です笑
タイトだったはずのスケジュールがタイトに感じなくなって来たら大成功
最初はタイトに感じるかもしれないスケジューリングも、それを日々実践していくうちにだんだんタイトに感じなくなっていく事があります。
これはどういうことかというと、あなた自身のレベルがアップして、自然により効率的・より効果的な動き方ができるようになっているということです。
筋トレでも何でもそうですが、「今の自分にはちょっとだけ厳しい事」をやる事で人間というのはレベルアップをしていきます。時間の使い方に関しても同じで、少し厳しいなと思うスケジュールをこなす事で、自分自身がレベルアップをしてそれをタイトだと思わなくなっていきます。
そして、そうなったらレベルアップした今の自分が少し厳しいなと思う程度にタイトにスケジューリングをします。これを繰り返す事で、自分自身をどんどんレベルアップさせていく事ができます。
完璧にやるよりも、習慣化させる事の方が大事
なお、ちょっとしたコツとして、この方法を使うときはすべての時間をタイトにするのではなく、あえて余裕のある時間も作っておくのがポイントです。
例えば、週末はあまりタスクを入れないようにしておき、設定したタスクが終わり切らなかった場合に週末を使ってタスクを片付ける、と言った具合です。
本当にギチギチにスケジューリングしてしまうと、それが少しでもうまくいかなかった場合にリカバリーができず、やる気も萎えてしまう事が多いのでこういう余裕を残しておくことも大切です。
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今回のパーキンソンの法則と合わせてぜひ知っておいてほしいのが、アイゼンハワーマトリクスというノウハウです。パーキンソンの法則は時間の使い方そのものにおけるノウハウですが、アイゼンハワーマトリクスは「そもそも何をやるか?」というタスクの取捨選択に関するノウハウです。
この2つのノウハウを両輪として回していけば極めて高い生産性を発揮できますので、ぜひこちらもご覧ください。