僕は、ビジネスをやる上で「枯れた技術の水平思考」という考え方を重要なものの1つとして捉えています。この考え方は昔任天堂にいた横井軍平(よこい ぐんぺい)という方の持つ哲学です。具体的には、下記のような考え方のことを言います。
「技術者というのは自分の技術をひけらかしたいものだから、最先端技術を使うということを夢に描いてしまい、売れない商品、高い商品ができてしまう。
値段が下がるまで、待つ。つまり、その技術が枯れるのを待つ。枯れた技術を水平に考えていく。
垂直に考えたら、電卓、電卓のまま終わってしまう。(※1)
そこを水平に考えたら何ができるか。
そういう利用方法を考えれば、いろいろアイディアというものが出てくるのではないか。」
※1:横井軍平は、当時の電卓からアイデアを得て、ゲーム&ウォッチを作った。
ゲーム&ウォッチ http://matome.naver.jp/odai/2138208772727412001
ここでの「垂直」というのは単純に技術そのものを向上させていく事を指していると思われます。
それに対して「水平」はその技術を別の形・アイデアで活用するということを指していると思われます。
つまり、枯れた技術の水平思考とは「既存の技術を既存の商品とは異なる使い方をしてまったく新しい商品を生み出す」という考え方のことです。
僕、この考えが大好きなんですよね。
もちろん、だからと言って新しいことを学んだり練習することを止めてはいけません。それは単なる怠慢ですからね。でもその上でこの考え方を取り入れると、とても結果が出やすくなります。
なぜなら、他の人は最新を追い求めたがるので、自分だけコストを低くして利益率を高めたり、他の人があまり採用していない戦略(=ライバルがいない)を使えたり、自分のビジネスにとってメリットがたくさん発生するからです。
ネットビジネスの世界は特に「新しい方法」が良しとされます。
もちろん、そういうものも大事なのですが、それと同時にこういう考え方を持っているとビジネス的にもメリットが多いですし、情報に振り回されることもなくなるのでいいですよ。
ただし、ミーハー心も大事
ただ、この「枯れた技術の水平思考」という考え方は使い方を誤ると危険で、行き過ぎるとただ単に「楽しよう」という考え方になってしまいかねません。
そのため、枯れた技術の水平思考という考え方は大事にしつつ、それと同時に新しいものにも積極的に触れていく姿勢が大事です。新しいものに振り回されるのではなく、新しいものを積極的に見聞きして学びましょう。
要は、良い意味でのミーハーになろうということです。
新しいものと古いものの両方を知っておくことで、両者の良い点や欠点がわかりやすくなります。
また、そうする事で自分のビジネスには何が必要で、何は必要ではないのか、ということもわかりやすくなります。
新しいものばかり追いかけて振り回されるのではなく、古いものばかりを賞賛する懐古主義になるのではなく、その両方を知って最適なものを探っていくことが成功する確率を高める上では非常に大切ですね。
[…] ・その時の記事 枯れた技術の水平思考を取り入れよう:https://threek-trib.com/?p=2277 […]